<写真左>青山 輝久(あおやま てるひさ):3Million Poker Club創設者の一人。キャッシュゲーム専門のプロポーカープレイヤー。彼からの薫陶を受けて成長したプレイヤーも多数。3Million Poker Clubでコーチングも担当している。 |
<写真右>葛谷 大志(くずや たいし):3Million Poker Club創設者の一人で、ポーカーのコーチングも担当。キャッシュゲーム専門のプロポーカープレイヤー。また、「KuZ」という名前で、SNSへ自身の経験や Pokerの上達方法も発信している。 |
3Million Poker Clubとは:ポーカーの初心者から上級者までを対象にした、ポーカーコンテンツのサブスクリプションサービス。上達に必要な情報や動画などを提供している。 3Million Poker Club |
日本有数のポーカーコンテンツのサブスクリプションサービス、「3Million Poker Club」を創設したポーカープレイヤーの青山氏と葛谷氏。本インタビューでは、数々のポーカープレイヤーを育ててきたお二人だからこそ語ることのできるポーカーの上達方法を、ご自身の経験を交えながらお話しいただきました。
ポーカーを始めたばかりの方も、さらに上のスキルを目指している方も、必読のインタビューです。
お二人の上達方法・体験談
ー前回のインタビューで、お二人は大学生の頃にポーカーに出会ったとお聞きしましたが、そこからどのようにポーカーのスキルを上げていったのでしょうか?
青山:最初はネットで情報を検索することから始めました。今と比べると、当時は記事の数も少なかったですね。そういう情報を調べた上で、実力のある人に教わるというのが重要だと思います。
葛谷:私はとにかくたくさんプレイしました。青山と共通の師匠のような先輩に「プロになりたかったら100万ハンド[1]打て」と言われて。その経験が、まずは最初の一歩ですね。
ーそこから、どのような経緯で現在の実力に至ったのでしょうか?
青山:プレイして、ハンドレビューを繰り返しました。気になったプレイについて自分で考えた上で、友人などに訊いて意見を出し合う。そういう風に、スキルをあげていきました。
葛谷:私も同じで、自分より実力のあるプレイヤーに質問することが大切だと思います。
ーポーカーでは「その時に勝っているプレイヤー」が「強いプレイヤー」とは断定できない部分があると思うのですが、本当に実力のあるプレイヤーを見抜く方法はありますか?
青山:私は周りにいる強そうな人に質問してみて、その時の答えが理論的に筋が通っているかどうかで判断しました。ポーカーを覚えてくるとある程度、そういう部分が感じられるようになりますね。
葛谷:そこを判断できるかどうかで、プレイヤーとしての素質が決まる部分もあるかもしれません。もちろん、初心者にとっては難しいことなのですが。
青山:毎月、何十人もコーチングしていると、強くなるには理論的に考えられるかどうかが重要だと感じます。これはポーカー以前にも養わなければいけない能力ですね。
ポーカー初心者がまずやるべきこと
ーでは、ポーカーを覚えたての初心者が、まずやるべき事はなんだと思いますか?
葛谷:アミューズメント[2]や国内の大会を調べて、まずはそういう場所にいってコミュニティを作ることですね。まずは、たくさん人のいるところに行ってみて下さい。
青山:私も同じですね。仲間を作ってポーカーの楽しさを感じてもらうのが第一です。
ーそこからどのようなステップで進んでいけば良いでしょうか?
青山:仲間とのコミュニケーションを楽しんでもらえれば十分だと思います。最終的に強くなることを目標にするなら、先程も言いましたけど、強い人というのはどういう人なのかを理解する事が大切です。どういう思考をしているのかを考える。あとはミスをしないためにGTO[3]という戦略を学んでみるのも良いと思います。
葛谷:上手くなりたいと思っている人なら、最初はやっぱりプレイを重ねる時期が必要ですね。アウツ[4]などの基礎的な知識を押さえながら、たくさんポーカーを打つ。その後は個人的には独学はお勧めしません。今は昔に比べると学びの選択肢が豊富なので、自分の納得できる価格帯のサービスを受けてみて下さい。
ー先程、GTO戦略とおっしゃっていましたが、ポーカーの知識を学ぼうとすると色々な言葉や戦略があって迷ってしまう人も多いと思います。どれをまず押さえておくべきか、アドバイスを頂けますか?
青山:最初はプリフロップ[5]を学ぶところからスタートするのが近道になります。
葛谷:GTOに関して言うと、そもそも「正しいプレイ」というのは、全部GTOが元になっています。どのプレイがミスなのか、といったことを調べていくのが良いと思います。そういう基準があるということをまず知った上で、なぜそうなるのかを周りの強い人に訊くのが良いんじゃないでしょうか。
青山:正しいプレイを身に付けていくと、徐々に相手のミスが把握できるようになり、その乖離からどのようなアクションを選択することが期待値の最大化に繋がるのかを自分の頭で組み立てることが出来るようになります。
葛谷:昔はそういうツールがなかったので、上手い人が「それはフォールド[6]し過ぎだ」と言えば、何となくでも納得してしまっていたんです。今は「GTO」という数学的に計算してくれるツールがあるので、ちゃんと基準が生まれましたね。
ー初心者の方がコーチングを受ける際に気をつけることはありますか?
青山:そうですね。ネットの情報や、周りからの情報を鵜呑みにしないことです。常に疑って、自分自身で思考することが大切です。
葛谷:私も近いです。適当なことをいう人には注意が必要ですね。しっかりした人であればあるほど、曖昧なことを言いません。分からないことがあれば、はっきりと「分からない」と言える人の方が信頼度は高いと思います。
青山:ポーカーって、どうしても分からないこともあるんですよ。そういう場合は、「こうなっている要素はこれとこれだよ」などと羅列するようにして説明していますね。どっちのアクションも正解な場合もあるし、前提次第で変わったりもします。
葛谷:あとは先程の「疑うこと」にも繋がるのですが、コーチングの時は積極的に質問して欲しいですね。どうしてそうなるんだと自分から質問することによって、ポーカーでの思考過程が育まれます。
3MPCにはどんなコンテンツがある?ベストな活用法
ーそれでは、3MPCについてお訊きしたいと思います。3MPCのコンテンツにはどのようなものがあるのでしょうか?
青山:サブスクリプションサービスに加入すると、サイトの中のコンテンツが見放題になります。セッション動画は100本以上、ケーススタディの教材も100本以上あるので参考になると思います。
ー初心者はどのように利用するのがオススメですか?
青山:動画や配信、書籍などたくさんあってどれも参考になると思いますが、学習手順がわからないという意見が多かったため、今はロードマップを作成しました。
葛谷:まだ完璧なロードマップではないのですが、必要な知識を七段階くらい組んでいって、中・上級者を目指すものです。ポーカーには色々な要素があるので体系的に学ぶのが難しいのですが、その足がかりとしてこれを参考にして欲しいです。
ー利用する上で、何かアドバイスはありますか?
葛谷:そうですね。私に名指しでも構いませんので「初心者なんですけど、どうしたら良いですか?」という風に質問して欲しいです。距離が近いオンラインサロンなので、全く迷惑ではありません。質問する練習にも使って欲しいです。
青山:自己紹介用のスレッドもありますし、どんどん能動的に使っていただきたいです。
初心者の方々へのアドバイス
ー最後に、これからポーカーを勉強して強くなりたいと考える読者の方へアドバイスやメッセージをお願いします。
青山:本気度の高い初心者の方には、「ポーカーで強くなりたい」という信念と、ポーカーを継続するという意志を持って勉強してみて下さい、と伝えたいです。
葛谷:強くなりたいと思い続けるのがいいですね。あとは、強い人のいる場所に足を運んでみて下さい。そういう場所にいながら、続けていれば必ず強くなれます。
青山:それから強い人に質問するのはもちろんですが、最近は「人に教える」というのがポイントだと思うようになりました。
葛谷:教えること、説明することで、逆に自分の中に取り込めるようになりますからね。コミュニティに入るようになると、そういった機会も増えるので仲間を作ってどんどんポーカーを楽しんでみて下さい。
【お二人へのインタビュー第一弾「日本有数のポーカーサイト、3MPCはなぜ作られた?」はこちら】
[1] 手札のこと。
[2] 現金をかけずにポーカーをプレイできる店舗のこと。
[3] Game Theory Optimalの略称。数学的に相手にスキを突かれない(エクスプロイトされない)戦略のこと。
[4] 自分のハンド(役)を完成させるために必要なカード。
[5] 2枚の手札が配られた直後でチップをかける(ベットする)タイミング。
[6] ゲームから降りること。